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厚生年金保険料の基になる等級とは?標準報酬月額についても解説!

年金手帳の画像
サラリーマンや公務員は勤務先で厚生年金の手続きが行われ、保険料も給与から天引きされています。

そのためか、保険料に対する意識が低くなりがちで、保険料がいくらなのかを認識していない人が少なくありません。

厚生年金保険料の計算と保険料率

自営業者や学生が加入する国民年金の保険料は月1万6,490円と定額になっており、被保険者の収入の多寡は関係ありません。

一方、厚生年金の保険料は毎月の給与と、年に何回か支給される賞与に厚生年金保険料率を掛け合わせて算出されます。

現在の厚生年金保険料率は「18.3%」です。なお、保険料は勤務先と折半するため、本人の負担は半額になります。

標準報酬月額とは?残業代等も含まれるのか?

厚生年金保険料の算出の基になる給与はアトランダムに抽出されるわけではなく、「標準報酬月額」が基準になります。

その標準報酬月額は以下の金額です。

標準報酬月額:4月から6月の税引き前給与の平均額

4月から6月の給与を基に7月1日時点で保険料が算出され、その金額が9月から翌年8月までの1年間徴収されます。

標準報酬月額には残業手当や通勤手当(6ヶ月ごとの定期代は1ヶ月に換算)、現物支給も含まれます。

そして、標準報酬月額は1等級(8.8万円)から31等級(62万円)に分かれており、各等級に厚生年金保険料率を掛けると保険料が算出されます。

なお、給与が62万円以上であったとしても、62万円として計算されます。つまり、年収が1,000万円あっても、2,000万円あっても、もらえる年金は標準報酬月額62万円の人と同額です。

ちなみに、給与には残業手当や通勤手当が含まれるため、同じ基本給でも4、5、6月に残業の多い部署にいる人は他部署の人より保険料が高くなり、勤務先から遠い地域に居住していることで通勤手当の高い人は近隣地域の居住者より保険料を多く納めることになります。

標準賞与額

標準報酬月額と同じように、賞与も標準賞与額が基準になり、賞与額に保険料率(18.3%)を掛けたものが保険料になります。

標準賞与額は1回の基準上限額が税引き前150万円になっています(1,000円未満の端数は切捨て)。従って、200万円支給されても150万円で計算されます。

そして、賞与の支給は年3回以下とされており、また臨時給与や俸給などと呼ばれていたとしても賞与として扱われます。現物支給で行われても賞与に変わりはありません。

厚生年金保険料額表(一部)

標準報酬月額における等級や保険料を一覧にしたのが「厚生年金保険料額表」で、各等級の金額は以下のようになっています。自己負担は半額です。

等級標準報酬月額報酬月額の範囲保険料・自己負担額
1等級88,000円~92,999円8,052円
2等級98,000円93,000円~100,999円8,967円
3等級104,000円101,000円~106,999円9,516円
4等級110,000円107,000円~113,999円10,065円
5等級118,000114,000円~121,999円10,065円
11等級170,000円165,000円~174,999円15,555円
12等級180,000円175,000円~184,999円16,470円
13等級190,000円185,000円~194,999円17,385円
14等級200,000円195,000円~209,999円20,130円
15等級220,000円210,000円~229,999円20,130円
21等級340,000円330,000円~349,999円31,110円
22等級360,000円350,000円~369,999円32,940円
23等級380,000円370,000円~394,999円34,770円
24等級410,000円395,000円~424,999円37,515円
25等級440,000円425,000円~454,999円40,260円
30等級590,000円575,000円~604,999円53,985円
31等級620,000円605,000円~56,730円

上記の表から分かるように標準報酬月額には幅があるため、例えば収入が43万円でも45万円でも25等級の44万円として計算されます。

また、収入によっては1円が違っただけで等級が変わるため、給与がアップしたことで、実質の手取りが減少するということが数字上では起こり得ます。

例えば、34万9,000円の給与の場合(21等級)、自己負担額は31,110円ですが、1,000円アップして35万円になると(22等級)、自己負担額は32,940円になるため、差し引き830円手取りが目減りします。

ただし、保険料を多く納めればその分、年金として受給できる金額が多くなるため、損をするということにはなりません。

年棒制と給与+賞与制の違いとは?

同じ年収でも、年棒制と給与+賞与制では保険料が違ってきます。

例えば、Aさんは年棒制で480万円(月40万円)、Bさんは給与30万円+賞与60万円・2回で年収480万円だったとします。
・Aさん:24等級・37,515円×12ヶ月=45万180円
・Bさん:19等級・27,450円×12ヶ月=32万9,400円、賞与(60万円×18.3%÷2)×2回=10万9,800円、合計43万9,200円
(参考サイト:お金借りるなら

標準報酬月額の随時改定とは?

標準報酬月額は9月から1年間は原則変更されません。

ただ、給与が大きく変動した場合などでは、一定の条件を満たすと翌年を待たずに改定されることがあり、この改定を随時改定と呼びます。

随時改定が行われるのは主に以下の2つの条件を満たした場合です。

①昇給や降給などによって固定的賃金が大きく変動した場合です。

固定的賃金とは支給額や支給率が定められている賃金のことであり、例えば基本給や日給、時間給、または住宅手当や役職手当などが該当します。

日給から月給への変更といった給与体系の変更でも随時改定が行われます。

②給与に変動のあった月以降3ヶ月間の標準報酬月額と、保険料算出基準となった標準報酬月額との間に、2等級以上の差が生じた場合です。

標準報酬には残業手当などの非固定的賃金も含まれます。

なお、上記①と②において、給与の変動月以降3ヶ月間の支払基礎日数が17日(特定適用事業所勤務の短時間労働者は11日)以上でなければなりません。

厚生年金保険料の基になる等級についてまとめ

平成29年度の国民年金保険料が1万6,490円の定額であるのに対し、厚生年金保険料はだいぶ高額になっていますが、当然受給できる年金額は国民年金より多くなります。

国民年金は満額受給で6万4,941円(平均5万5,244円、平成29年)ですが、厚生年金の平均受給額は14万7,872円(平成29年)と2倍以上になっています。

しかも、年金の受給は終身であるため、その差が大きく影響します。